そう体堂へは、さまざまなご家族がお越しくださっています。施術を受けるという事がその場だけでなく、一ヶ月後そして半年後、さらには5年後10年後の体に大きな変化やきかっけとなるという感覚や意識で、将来の体を見据えて定期的にお越しくださるご家族も徐々に増えて参りました。何か事が起きてから対応していては遅いのだという認識の表れだと感じています。この認識は、今の社会情勢による影響も無関係ではないでしょう。ご自分やご家族の健康を人任せにはできないという気持ちの変化は、ご自分に適った暮らしへと向かう原動力となるものです。このような健康観を抱いたご家庭で暮らされているお子さんの体の変化には目を見張るものがあり、度々その成長に驚かされます。

心身共に「大きくなる」という成長は何がそうさせているのでしょうか。食事による栄養でしょうか。睡眠でしょうか。ご自身の意思でしょうか。生活環境でしょうか。当然ですが、その要因は一つではないでしょう。そこで、忘れてはならないのが、子どもの生きる力を育むためには「心の充実」が必要であり「気持ちが満たされている」という感覚が子どもの健やかな成長において大きな意味を持つという事です。これが的外れであったり、多すぎたり、少なすぎると、やがて体調を崩す事になるでしょう。もっとも避けたい事は、自分の欲求や気持ちを塞いでしまい「感情を失う事」であります。例えば子どもの習い事一つをとってみても「本人がやりたいと言った」という理由だけで2年も3年も続ける事には、負の一面もあると感じております。「自分で決めたこと(約束)は最後までやり通す」これは確かに大事なことです。我慢を覚えることも貴重な経験でしょう。しかし、心も体も日々成長し変化しています。成長著しい子どもであれば、その変化は大人のそれとは比較になりません。お子さんの著しい変化を目の当たりにしている私としては、何年も前に言った「やりたい」の一言が、今、目の前にいる本人の本心とは限らないと思わされます。もちろん、揺るぎない信念を貫いている子もいるでしょうが、そうでない子も少なくないでしょう。自分で決めた約束を守るという事だけに囚われた結果、もしも、その子本来の生きる力や欲求を見失う事があるのなら、その時は親子関係にひずみが生じても不思議なことではありません

 

 心身のその変化は目やお腹、呼吸などに表れやすく、中でも色濃く表れるのが呼吸の状態です。少し意識して子どもの呼吸に合わせるようにするだけでも、気持ちの方向や心の距離感に気がつくことが出来ます。親と子という物理的にも心理的にも近い間柄だからこそ、その心の距離を察し、成長に合わせてその距離を適切に保つ事は大きな意味を持ち合わせています。この意識は、子どもがより自分らしく成長していく為の一つの支えとなる事でしょう。